知恩院 情報
TEL:075-531-2111
宗派:浄土宗総本山
拝観:境内自由 庭園拝観400円、9~16時
交通:市バス知恩院前から徒歩5分
知恩院見どころまとめ
知恩院見どころ1:三門

国宝
江戸時代(元和7年)
円山公園を北に抜けるとすぐに高い石段上に立つ、高さ24メートル、横幅50メートルの豪壮な三門が目に入る。
様式は禅宗様(唐様、からよう)で、5間3戸(正面の柱間が5つで、中の3つが戸口となっている)、二階建ての二重門、屋根は入母屋造いりもやづくり)、本瓦葺でわが国の三門のなかでも最も規模が大きい。
江戸幕府2代将軍徳川秀忠の寄進によって元和5年(1619)から建造され(『中井家記録』)、元和7年に完成したことが小屋束(こやづか)の墨書銘からも判明する。
知恩院見どころ2:御影堂

国宝
江戸時代(寛永16年)
三門から男坂の石段を登ったところに知恩院本堂がある。
浄土宗の開祖法然上人を祀ることから御影堂(みえいどう)と呼ばれ俗に大殿とも言う。
寛永16年(1639)に徳川幕府3代将軍家光によって再建されたもので、間口45メートル、奥行35メートルぁり、浄土宗本堂の建築としてはわが国最大のものである。
桁行11間、梁間9間、一重入母屋造·本瓦葺、正面に向拝にはい)5間を付け、背面に63間の向拝を付ける。
また周囲に1間半の大外縁を巡らす。
知恩院見どころ3:経蔵
重要文化財
江戸時代(元和7年)御影堂の南東に建つ大蔵経を納める輪蔵形式の一切経蔵で、徳川秀忠の寄進により三門と同時期に建立された。
外見は二層のようであるが内部は吹抜けで、一重裳階備こし)付きの方3間の宝形造(ほうぎょうづくり)·本瓦葺の建物である。
建築様式は和様と唐様を折衷した様式である。
経蔵内部
内部の天井や壁·柱は狩野派と伝える絵画で荘厳されており、傅大士(ふだいし)及び二童子像に守護されて中央には秀忠寄進になる宋版一切経五千九百六十九帖を収める八角輪蔵が置かれている。
知恩院見どころ4:方丈庭園
大方丈から小方丈にかけての前庭は方丈庭園となり、その中心となる心字池は小堀遠州と縁のある僧玉淵(ぎょくえん)によって作庭されたと伝えられる。
小方丈の奥には茶室葵庵があり、さらに徳川家康·秀忠·家光の三代の霊を祀る権現堂(ごんげんどう)へと続く。
東山を背景に四季それぞれに美しい景色を見せる。
小方丈
重要文化財
江戸時代(寛永18年)小方丈は大方丈の後方から歩廊でつながっており、ともに寛永18年(1641)徳川家光の建立になる。
桁行23メートル、梁間19メートル、一重入母屋造、檜皮葺の建物で、内部は上段の間佔んなり、狩野派の襖絵で装飾されている。
知恩院見どころ5:大方丈
重要文化財
江戸時代(寛永18年)
蓹影堂の右手奥にあるのが、寛永18年(1641)徳川家光の再建になる大方丈(おおほうじょう)である。
二条城と同様に書院造の形式を備え、徳川将軍家御成の際には居所となる。
桁行35メートル、梁間25メートル、一重入母屋造·檜皮葺(ひわだぶき)の建物で、これに玄関と歩廊が付いている。
内部は54畳敷の鶴の間を中心に下段の間·松の間梅の間、上段の間·中段の間·仏間·裏上段の間·菊の間·鷺の間·柳の間の全部で11の部屋からなり、狩野派の豪華な金壁の襖絵で装飾されている。
知恩院見どころ6:御廟堂
京都府指定文化財
桃山時代(慶長18年)
勢至堂に向って右手の小高い丘の上に、法然上人の遺骨を安置する廟堂にびょうどう)がある。
慶長18年(1613)に常陸国(ひたちのくに)土浦藩主松平伊豆守信一の寄進になるものである。
桁行3間、梁行3間の一重宝形造、本瓦葺の建物で、正面に桁行3間、梁行2間の一重入母屋造、檜皮葺の拝殿、及び1間1戸の檜皮葺の向唐門が付属している。
知恩院見どころ7:勢至堂
重要文化財
室町時代(享禄3年)
御影堂(みえいどう)向かって右手横の石段を登ったところにある建物で、現存する知恩院の建造物では最古のものである。
ここは法然上人が念仏布教の生涯を送りその一生を終えた大谷禅房の故地で、本地堂(ほんぢどう)ともいわれ、知恩院発祥の地として大切な場所である。
本尊はもとは上人の御影であったが現在の御影堂に移された後、勢至菩薩坐像が安置されるようになって勢至堂と呼ばれるようになった。
桁行7間、梁間7間、一重入母屋造、本瓦葺の建物で、堂正面に揭げられている「知恩教院」の扁額は後奈良天皇宸翰である。
内陣には法然上人の本地身とされる鎌倉時代制作の重文「勢至菩薩坐像」が安置されている。
知恩院見どころ8:阿弥陀堂
明治時代(明治43年)
鎯影堂の西側に建っ像高2.7メートルの半丈六(はんじょうろく)の阿弥陀如来坐像を安置する阿弥陀堂である。
鎌倉時代以来の阿弥陀堂は勢至堂(せいし新後の荒廃を経て明治43年(1910)に再建されたもので、正面5間、一重裳階付きの入母屋造·本瓦葺、知恩院では比較的新しい建造物である。
知恩院見どころ9:除夜の鐘

新年を迎えるにあたり、1年間の煩悩(ぼんのう)を払いのけることを目的に12月31日に行われる。
知恩院の釣鐘は高さ3.3メートル、重さ約70トン、日本三大梵鐘と呼ばれる。
この大きさから親綱を1人が持ち仰向けにぶら下がるように撞き、子綱を16人の僧侶が共々に握り「えーいひとつ」「そーれ」の掛け声で一打一打、鐘を撞く。
撞く数は百八煩悩に因む108回。
撞く合間での僧侶の念仏礼拝の声がこだまし、京都の冬の風物詩となっている。